ふと前を見ると、


着物を身につけた、女の人が歩いていた。



『綺麗……』



私は無意識にその人のことをついていった。



女の人は、立派な建物の中に入っていった。



『はっ!ついついていってしまった!!

いいなぁ……私も着物きたい……』



そう、何を隠そう、私の小さい頃からの夢は、


女将(おかみ)だ!


綺麗な着物を着て、


あの上品な言葉づかい。



男より男らしくなってしまった私には到底なれない……


ハァ…


私はため息をついてしまった。