バトルロワイヤル

「里中?里中?」オレは後ろで倒れた里中に駆け寄り何度も名前を読んだ。
「…山川…くん…」里中はゆっくりと目を開けた。
「里中ァ、死ぬな、死ぬなよぉ!!」オレは里中の胸から出るおびただしい量の血を手で止めようとした。
「…私…もうダメみたい…」
「…い、いやだ…。死ぬなよぉ…」
「…山川君…?」里中は震えた手で覗き込む、オレの顔を右手で触った。
「…最後に一つお願いがあるの…」里中は擦れた声で言った。
「…なんだ?なんでも言ってみろよ!!」
「…最後に亮佑って呼んでいいかな?」
(ザワッ)
オレの体中に寒気とは違う何かが駆け巡った。
その瞬間涙が溢れ還った。
「いいよ!何度でも呼んでくれよ!木葉ァ!!」オレは涙ながら里中の名前を叫んだ。
(…山川君が私の名前を…)里中の目から綺麗な雫が溢れる。
「…亮佑…ありがとう…」
(…グッ…)
里中はオレの体を強く引き寄せた。
―………―
オレは里中と唇を交わした。
その瞬間―
…里中の唇の温度はみるみる内に下がっていった。
「……ありがとう…。…里中…」
(…スッ)
オレは抱えた里中をゆっくりと地面に寝かせた。
「……宮武…。……てめぇ殺す!!」