バトルロワイヤル

徳光はオレに背を向けた。
「…あの、私…残ります!」里中は言った。
「…!!里中!?」
「私は山川君とずっとそばにいます。用が済んだらすぐに追いつきますんで。」里中の目は真剣だ。
「徳光、行こう。ここは山川に任せるんだ。次のところに行くぞ…。」そう言って梶原は部屋を出た。
「…じゃあ任せるぞ…」
「…あぁ。」
梶原に続いて徳光、広瀬は部屋を出た。
「…いいのか?重大な戦力じゃなかったのか?」宮武は嫌味に言った。
「あぁ。オレはお前を止めて見せるから…。…里中、下がっといてくれ。」オレはハンドシグナルで里中を引いた。
(…スタスタ…)
オレは一歩ずつ歩きだした。
「山川君危ない!!」里中の叫びにもかかわらずオレは足を止めない。
「お前馬鹿だろ…。」
(…カチャ…)
宮武はボーガンを構えた。
(…スタスタ…)
(こいつ…まったく動揺しねぇ…)
(カタカタカタ…)
ボーガンを握る宮武の腕が震えている。
「なんでオレがお前なんかに怯えてるんだぁ!!!く、来るなぁ!!」
(ドキュウン)
(ガシッ…)
放った矢をオレは掴んだ。
「…もうやめとけ…。」
高橋の時と同じ感じがまたオレに芽生えていた。