私と同じように、紅蓮も私を見据えていた。
私が話し出すのを待っているのだろう。
けど、私から話すつもりは一切ない。
だから、私も紅蓮を見据えながら待つ。
「………お前、今までどこにいたんだ?
下っ端全員で探しても見つからないなんておかしいだろ?」
折れたのは、紅蓮だった。
まぁ、紅蓮が折れなければ、永遠にこの沈黙が続くことになっていたけど。
「探してた、って、どこらへんを?」
「青龍の縄張りの地域全体だ」
「へぇ、なるほどね。
だったら、見つかるはずがねぇな」
「………?」
「俺、実家に帰ってたから。
実家は、青龍の地域じゃねぇし、
ここから結構遠いから」
まぁ、ほとんど嘘はついてないよ?
実家だって、黒蝶の地域内にあるし、ここからだと遠い。
ただ、実家には帰ってないけど。

