「俺は、真亥憐慈。
二年だ。
よろしく」
私にぶつかってきた人が、
真亥憐慈‐マガイレンジ‐
黒い瞳に、真っ赤な紅色の髪に黒のメッシュ。
この人は完璧なイケメンだ。
でも、目がたれ目って印象的。
……って、だから、なにさっきからリサーチみたいなのしてるのよ、私!
「んと、咲希斗くんに憐慈センパイ?」
「〝くん〟なんていらないよ〜?
咲希斗って呼んでよ」
「俺も。
〝センパイ〟いらねぇ」
…うん。
正直、くんとかセンパイ、ってつけるの、苦手なんだよね。
そう言ってくれて助かった。
「じゃあ、遠慮なく。
咲希斗に、憐慈で」
「うん!
僕はつっくんって呼んでいい?」
「月夜、でいいか?」
「あぁ。
好きに呼んでくれていいから」
それから、わいわい騒いでたら、いつの間にか理事長室に着いたみたい。

