外に出ると、家のじゃない、見たことのない車が停められていた。
家のよりも遥かにデカく、黒塗りの高級車。
恐らく、うちの車よりも高いんじゃ……?
なんでそんな車がうちの前にあるんだ?
「暁、乗りなさい」
「この車…」
「別の組のものだよ。
迎えに来てくれてね。
これから藍川組や鐘田組にも行く」
車の窓があき、親父がひょっこり顔を出した。
別の組、って、……相当な金持ちか。
黒いスーツを着た見知らぬ男が車のドアを開け、
「紅蓮暁様ですね?
どうぞご乗車ください」
と促す。
軽く会釈をし中に入れば、座席も高級な白い革張りで。
座るのが躊躇われるぐらい。
それから、鐘田組、藍川組にいき、車に咲希斗たちも乗り込んできて。
2人ともこの高級車に驚いていた。
親父たちも驚いてはいたが、何かを思い出し納得してて。
こんだけの高級車を買えるってことは、かなりの金持ち。
金があるってことは、実力があるってこと。
俺たちの組より、その別の組のほうが金があるのは確実。
だとしたら、その別の組は俺たちよりも上、なんだろうか。

