黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ








「今日のところは解散しよっか。
暁たち準備とかする時間必要でしょ」


「そうだな。
…じゃあ、解散」





組関連だと、ちゃんとした格好で行かなきゃなんねえし。

さっき良があとで身支度を手伝いに部屋に来るっつってた。


スーツとか着るんだよな、あの堅苦しい服。



スーツとかマジ嫌い。



まあそうは行っても、将来はほぼ毎日着なきゃなんなくなるけど。





―――――――…
―――…




「失礼します。
若、お支度を…―――、って、お休み中でしたか。
若、起きてください」


「―っあ?……あぁ、わり、寝てた」





ベッドに横になってたら、いつの間にか寝てたみてえだ。



良が手に持っているのは、光沢のある黒がかった赤のスーツ。

紅蓮組にちなんでの色みてえだ、何でも。





「こちらにお着替えください」


「…相変わらず色がグロい色だよな、これ」


「仕方ありませんよ。
本当は紅色のスーツがいいんですけど、それじゃあ派手過ぎますでしょう?」


「そりゃ、…まあな」






色は少し問題があるが、スーツ自体は高級物。


それに袖を通す。

仕上げに赤いネクタイを締めた。



それから、軽く髪の左側をサイドバッグにセットされ……。





「お終いです。
お外に停めてある車で組長がお待ちになっていますので、お早めにそちらへお越しくださいね」


「…ああ」





首もとが苦しい。


慣れないものを着ているからか、動きずれえ………。