……とは言えず。
何故か昔から、親父には逆らえないんだよな、ほんと。
部屋に戻ると、海翔と咲希斗は電話していた。
恐らく今夜の食事会のことだろ。
海翔たちも来るって言ってたし。
電話を切った二人がこちらを見る。
「親父からだったろ」
「うん、食事会がどうの…、って。
暁と海翔もでしょ?」
「ああ。
さっき言われた」
「…………おかしくない?」
「海翔もそう思った?
僕も、変だと思ったよ」
どうやら、おかしく感じたのは俺だけじゃなかったらしい。
おかしいと感じるのは、さっきからも思ってるけど、
まだ高校卒業してないのに組関連の食事会に参加しろと言われたことだ。
「…………あと、俺たち以外の別の組も来るって」
「しかもその組で食事会やるんだよね?」
「どこの組か聞いても、直にわかる、っつう曖昧な返事しか返ってこねえ…」
「直に、って最近そればっかじゃない?
僕たちの周りにいる人たち…。
なんか、もう聞き飽きたくらい」
そうだよな…。
月夜も理人も、親父も。
後々だとか直にだとかで、返事を曖昧にして本当のことを教えてはくれない。

