黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ









―――――信じらんない。


あれで7、8割しかだしてない?



俺はNo.2である青龍の副総長だ。


どこかで、そこらへんの不良には負けるはずがないと、思っていたのかもしれない。



だから、その分負けたことがショックで。
信じられなくて…。



圧倒的に、理人くんのほうが強かった。

この喧嘩で俺が有利になったことはない。






「あぁ、それと。
先代たちのこと悪く言ってごめんね。

君たちが殺人未遂までした理由は、
君たちの大切な人が〝奴ら〟のせいで植物状態になってしまったから、その怒りでしてしまったことも。

そこを紅蝶が助けて君たちを救ったことも。

先代たちが君たちを拾って、仲間の大切さや暖かさを教えたってことも。

生まれ変わった君たちを信じてトップにしたってことも。


知ってるよ」





っ、知って、たのか………?

だったら、なんであんな言い方…――っ!


本心、なのか?

理人くんは、理由を知っていても、ああ思ってるってことなのか?





「…―――っ」


「酷く言ったのは、航太を怒らすため。
わざと、だよ、全部。
怒らせないと本気だしてくれないでしょ」


「だから……って…」


「うん、やり方汚かったよね、ごめん。
反省してるよ。
今度ご飯奢るからさ。
……許して?」






なんだ…、わざとか。
なんだか一安心した気分。

いくら俺を怒らすためとはやり過ぎなんじゃ…、とも思ったけど、あのかわいい顔で謝られて許せないはずがない。


やっと、いつもの理人くんに戻ってよかった。





「ま、…んまと、理人、っくんに騙されちゃ、ったな〜……っ俺」


「ふふ。
ごめんって。
あー、喋んないほうがいいよ?
傷が酷くなる」


「理人、喧嘩強い…」


「まあね。
………あと、さ。
僕気にしてないよ?
君たちの過去のこと。

君たちより僕たちのほうが酷かったから、ね。

それに、友達でしょ、僕ら」