「……て、この子、見知らぬ顔だね」
「確かに……。
知らねえ顔だな」
さっきまで喧嘩してたが、ようやく私の存在に気づいたみたい。
知らなくて、当たり前だよ。
転校生だもん。
「……俺、転校生」
「あぁ、噂の!
結構、可愛い顔してるね?
本当に男の子?」
「歴とした男だ」
「そう睨まないでよ、怖いから!
悪かったって!」
……本当は、女なんだけどね?
て、こんなことしてる場合じゃなかった。
「なぁ、理事長室教えてくんね?」
「うん、わかった!
僕たちについて来て」
よかった!
ぶつかったの、ある意味で助かったかも。