なにやら慌ただしく動く組員さんたち。
「わ、若!?
どうしたんッスか!?」
「自分家に帰ったら悪いのか」
「いっ、いえ!
その、学校…は…?」
「サボリ」
「そ、ですか。
若、よく聞いてくださいね?」
焦ってるような、真面目な面持ちで言う彼。
たまたま通りかかったみたいで、かなりの驚きようだった。
「これから大事なお客様が来るんです。
ですから、ここに居るなら部屋から一歩もでないと約束してください」
「大事な客、って誰だ」
「組関連の方たちです」
「……わかった」
暁と海翔、咲希斗の実家は、組のことは高校卒業するまで一切教えないらしい。
今日みたいな事も珍しくはなくて。
暁の部屋に行くと、模様替えしたみたい。
前は部屋にまとまりがなかったけど、今はモノトーンで綺麗に纏められてる。
「………でねえ」
「勤がでないの!?
いつもでるのに…」
「勤が出ないときとすれば、組でのことだよな……?」
「今日、八木原組に何かあったのか?」
「さあ………」
暁が勤に電話をかけたけど出なくて、留守電のアナウンスが流れる。