一瞬、航太とタイマン張ったことは隠しておこうか…、と思ったけど、





「理人、唇切れてる。
どうしたんだ?
喧嘩か?」





顔に傷がちらほらあるのに気がついた鋭い月夜。


まあ、気づかないほうがおかしいんだけど。





「航太とタイマン張っちゃった☆」


「……はあ!?」





思った通りの反応を見せてくれた。





「暁たちが誰に用事があるか煩かったから、僕とタイマンはるって条件で教えるって言ったの」


「なに勝手なことしてんだよ……っ!?」


「僕が買ったよ、もちろん。
紅蓮組組長に用事があったとは言ったけど、なんでかは言ってないから」





反省の色なしの僕に、これ以上言っても無駄だと思ったのか。


最後に大きなため息を残して寝てしまった。



よっぽど疲れてたんだね。


最近ろくに寝てなかったもん。





明日は1日ゆっくり休んでね、月夜。






「月夜、お疲れ様」