「足止めよろしく」
紅蓮組に到着。
中に入ったら、何故か今いないはずの暁たちがいて……。
ここで時間を食いたくないと思った、僕の相棒であり親友の口から出てきたのが、これ。
なんで僕が足止め?
そんなの組みの誰かに任せちゃえばいいじゃん。
僕だって話し合いの場に参加したいのに。
でも、そういうんだから、月夜にだって考えがあるってことはわかるから。
…断るなんて出来ない。
僕を残し、八木原を連れて行ってしまった。
「つっくん、ちょっと待っ………!」
「サッキーたちさ?
少し、僕とお話ししよっか」
いいよ、って言った以上足止めしなきゃね。
でもね?
やっぱり僕も行きたかったんだ。
だから、ちょーっと。
僕機嫌悪いみたい。
機嫌悪いのを隠すために、僕の中じゃしっかり笑ったつもりだったんだけど。
僕の笑顔を見た瞬間固まった暁たちを見ると…、うん、バレバレだったみたい。
「廊下で話すのもあれでしょ?
暁、空き部屋に案内してよ。
……あ、ごめんね。
今僕、機嫌悪いから」
「……この部屋でいいか」
暁が指さしたのは、さっき暁たちが出てきた部屋だった。
中に入ると、入り口は襖で和風なのに。
床はフローリングで、モノトーンで纏められた部屋。
綺麗に片づけられていて、埃1つない。
勉強机の上には、青龍のみんなと撮った写真が入った写真たてが。