「じゃあ、そういうことだ。
俺はそろそろ帰る」


「月夜くん。
本当に、ありがとう。
自分の傘下のことを把握出来なかった俺は情けない…」


「いいや、当たり前だろ?
困っている奴が目の前にいたら助けるのは当たり前だし、
悪さをしてる奴を止めるのも当たり前だ。

礼を言われる程のことはしてねえ」





ただ、たまたま見つけたから助けただけ。


ただ、私がこれ以上被害者を出したくなかっただけ。



ただ、それだけのこと。





「月夜くん!」


「どうした、八木原」


「あのこと、やっぱりもうちょい待ってくんねえか?」


「…わかった。
お前も食事会に来い。
その時でいい。

コイツ、少しうちで預かってもいいか?」


「構わない」


「じゃあ、また今夜。
楽しみにしている」






部屋をでで、朱鷺や数人の麗桜組組員に囲まれながら八木原と共に廊下を進む。


理人にも連絡し、車に乗り込み理人を待つ。



五分くらいしたら理人が来た。





「どうだって?」


「成功。
今夜、来るよ」






理人に結果報告。


あとはこの後の食事会が無事終われば、
今回の件は一件落着、か。