すべてを聞き終えた組長は、驚き、そしてショックを受けたようだ。





「和彦‐カズヒコ‐くんが君恵‐キミエ‐さんを……。
和彦くんのことは信頼してたのに……」






和彦とは八木原組組長で、君恵とは八木原組組長の奥さん。


相当ショックだったのか、暫しの間呆然としている。





「八木原組長はもう少ししたら来るはずだ。
八木原組長の処分は完全にアンタらに任すが、若頭の処分は軽くしてもらいたい。
コイツはお袋さんを助けたいが為に従っただけだ。

確かに、コイツがしたことは処分されるべきだが」


「…わかっている。
鬼ではないからな」


「……で、今夜空いてるか?」


「まあ…」


「麗桜組と食事しないか?
俺らの組長もくる」





少し迷った様子だったけど、首を縦に振った。


夕方の5時に麗桜組に来るよう伝えた。

念のため、護衛として麗桜組の者を迎えに行かせることにした。





「あと、今回のことで紅蓮組と同盟組んでる、鐘田組と藍川組も混乱させたみたいだから、

その二つの組の組長、若頭、数人の付き人も呼んでくれて構わない」


「わかった。
俺らも、俺と息子と数人連れて行けばいいんだな?」


「あぁ。
護衛はしっかりうちがつける。
潰すとき邪魔になるといけないから、うちの組の数人を二つの組に向かわせた。
事情はわかっていると思うが、念のためアンタから言っておいて貰いたい」


「あぁ」





これで言うことは全部、かな。


さて、準備もあるし、そろそろ帰ろう。