「そういえば。
お袋さんのこと、暁に相談したのか」
「した。
でも、俺にはどうすることも出来ない、って。
クスリのことは、暁には言えなかったけど。
もし言ったら、紅蓮組にバレることになる。
八木原組が系列から追放される。
そしたら、ますますお袋を助けることは出来ない……」
辛かったんだね。
相談しても、いい方法は見つからなくて、突き放されて。
クスリのことも言えなくて……。
でもそうしてる間にも、お袋さんのガンは悪化していって。
八木原の気持ちを考えると、胸が張り裂けそうだ。
「言っておくけど、暁も苦しかったんだと思うよ。
大切な奴が困ってるのに、何も出来ないほど辛いことはないからな」
「……わかってる」
「あと、さ。
さっきうちに来ないかって誘ったけど、別に同情とかじゃない。勘違いすんな。
うちの利益のためだ。
アンタは鍛えればきっと強くなる。
そうすれば、うちももっと強くなる。
ただそれだけの為だ」
「利益……」
「でも。
嫌ならいい。
自分がしたいようにしろ。
紅蓮組系列に残りたいなら、残ってもいい。
自分の意志を大切にしろよ」
嫌々きてもらっても、こっちが気を使うだけだ。
だったらこない方がまだいい。

