あんなこんなで、理人と一緒に実家から直行で来てしまった、学校。
実家に制服があるわけがなく、もちろん理人もあるわけがない。
だから観月から許可を得て、スーツで行くことに。
学校に行くのに、私服っていうのは絶対に駄目だし、
前の学校の制服は…、着たくない。
理人も、今の学校は黒蝶が多く通うとこだから、……だめ。
迷っていた時に、真咲さんが持ってきたのが、……スーツだった。
黒蝶ということで色は黒。
ネクタイは、私は赤で、理人は可愛らしい薄ピンク。
男にピンクはどうかと思うけど、理人だからこそ許せるんだよね。
「あれ、月夜さん!?」
「久しぶりじゃね?
つか、なんでスーツ……?」
「隣にいる奴、誰だ?
月夜さんと仲良そうだけど…」
「この学校じゃねえよな?」
いつのまにか、注目の的になっちゃってたみたい。
うっわ、視線がいてえ……。
「まずは理事長室っしょ?」
「あぁ、四階にある」
「それにしても、ここが月夜の通う学校か〜。
あんま何処も変わらないね」
当たり前っしょ。
何処も学校なんて同じだよ。
私立校のお嬢様学校なら話は別だけど。

