「だったら、このままハッキングしてくれたほうがいいかな」


「なんで、なんでそこまで……」





なんでそこまで隠したいのか、でしょ?

暁たちが聞きたいのは。





「僕たちのデータが知られるくらいなら、このままハッキングされてたほうが断然いいよ。

それに。
いくらハッキングしても僕たちのデータのロックを解くことは出来ないよ」


「どうしてそんなに自信がある」


「僕たちのデータを管理してる人たちの腕が完璧だからだよ。
その人たちのうちの1人が藍なんだけどね」





黒蝶のデータ管理は、初代情報参謀と各代の情報参謀が行う。


初代の腕も藍の腕も完璧。



二人の二重ロックを外すことはまず出来ないだろう。

いくら航太でも。





「話しはこれだけ。
じゃあ、またね、みんな。
月夜、帰ろうか」


「……あぁ」





幹部室を出るとき。

ふと感じたのは、みんなの疑いの眼差しだった。