暫く歩いていると、ふと羚矢が立ち止まった。
「ここみたいだぜ?」
どうやら、目的地についたみたい。
外見は…、まぁ、至って普通なバー。
中は知らないけど。
外に張り出されているポスターに、
『学生のみ、初来店の記念品あります!
学生の人、気楽にお越しください』
と書かれている。
なんか、引っかかる。
〝学生のみ〟ってところが。
中に入ろうとする理人たちを慌てて引き止めた。
「どうしたの、月夜」
「……。
今日は、…引き返そう」
「はっ、なんでだよ?!」
「いいから。
わけは後で話す」
なぜか、入ったら危ない気がしたんだ。
だから今は行かないほうがいいだろう。
「今日、私んちに泊まってもいいから。
頼む」
「…そんなにいうなら、仕方ありませんね。
それに、月夜がそこまで頼むんですから何かあったんでしょう」
ふぅ…、よかった。