ボーッとしながら、理事長室長を探していると…――――
ドンッ…―――!!
「ったた……
…―――――っっ!」
「ってぇ…、あ、すまねぇ、大丈夫か…――――――っ!?」
倒れた体を起こそうとした時、
目の前には、男の人の顔。
男の人に押し倒された感じになっていた。
ちょっとでも動くと、唇が触れそうな程近い。
なに、これ…っ!
「おーいっ!憐慈ー?
大丈夫かっ………て、
憐慈が男を襲おうとしてるーっ!?
憐慈ってホモだったのーっ?!!」
第三者の言葉に我に返った私たちは、バッと勢いよく立ち上がった。
「ばっ…―!
ちげぇよ!ぶつかって倒れたら―…!!」
「ウソつかなくてもいいんだよ?」
「ついてねぇって!」
目の前で口喧嘩が始まる中、私はボーゼン。
い、いま、顔、近すぎじゃなかった?
思いだすと、顔が赤くなっちゃうよ…!
―……って、私は今、〝男〟なんだから。
男装してるのには、いろいろとワケがあるんだけど、
今はそれどころじゃないから、また後でね。