優鬼。

それが、私の青龍の幹部としての通り名か。


今現在で、いくつ私の通り名があるんだろ。





「意味はそのまんま。
優しい鬼、なんだって」


「優しい……?」


「つっくん優しいじゃん?
僕たちにだって、女の子たちにだって。
〝優鬼〟ってつっくんにピッタリだと思うな」






…―――優しくなんかないよ、私は。


その逆で、酷い奴なんだよ。

平気で人を騙す。


そんな奴が優しいわけがない。





「最後に言っておくけど、1日中暴れるのはやめてね。
溜まり場にもきてほしいから、暴れるのはほどほどに」


「………わかった」


「なら、いいよ。
あっ、そうそう!
このお菓子、新発売のなんだけどね…―――――――」






暴れるのをほどほどにするという約束を交わして、

それからは他愛もない話で盛り上がった。




いつしか、こんな青龍の空気が好きになっていて。


黒蝶と青龍を掛け持ちするのが当たり前になっていた私。



いずれは別れが来るのも分かってはいるけれど。

でも。



今は、出来るだけ長く、青龍のみんなとこうして過ごしていたいと願う。





平和な日々が、徐々に崩れ始めてるなんて知らずに…―――――