「…香月とは、離婚していない。
今でも連絡とってる」


「嘘いうんじゃねえ!
どうせ、俺を家に帰らせようとするための口実だろ!!」


「違うと言っているだろ!?」


「親父はいつも嘘ばっかり!!
本当のことを今更言うなら、なんで先に言わなかったんだよ?!」


「それは……っ!」


「家出した時も!
私の口座に毎月振り込んでたってことは、俺は帰ってこなくてもいいってことだろ?
いらないくらいの額を振り込んでっ!!

今日呼び出したのだって、さっきの口実だって、〝跡取り〟の私が必要になっただけだ!
〝娘〟の私じゃなく、〝跡取り〟の私を!」



「俺はただ、月乃を心配して振り込んでただけだっ!
それに俺は、ちゃんと娘だと思ってる!!
呼び出したのは、ちゃんとお前と話したかっただけなんだ!!」





その後、しばらく私と親父の口論は続いた。


何事かと、組の奴らがいちいち様子を見てくるけど、そんなの気にしてられない。



慧たちに止められたけど、それで収まる怒りじゃなかった。


今まで溜まっていた怒りが爆発した今、もう抑える方法なんて知らない。