「そうきましたか。
……では、急いでこれに着替えて下さい。
あと、カツラとカラコンもあります」
「ん、じゃ、着替えてくる」
車を降りて、入りたくもないが男子トイレの個室に入った。
紙袋の中には、下っ端くん用の黒蝶の特攻服と、銀髪のヅラに赤のカラコン。
さっさと着替えを済ませ、トイレから出た。
周りからの視線が痛い。
こんな格好してるからなんだけど…。
黒蝶の下っ端だって、注目は浴びる。
車に戻ると、早速出発した。
「居場所が知れて良かったね〜。
案外楽に終わるかも」
「そうだな!
月乃、ミスんなよ?」
「ミスんねえよ。
…とにかく、サポート頼む」
「アナタは〝K〟ですからね」
〝K〟とは、私の下っ端を演じる時の名前。
仮に、偽名でも名前を言ってしまえば、調べられたらバレてしまう。
…――黒蝶のメンバーじゃないってことが。
本命はもちろんNGだ。
だから、〝K〟。
〝K〟は、kingからとった。
総長だから、kingでしょ?
まぁ、それを考えたのは理人だけど。

