「月夜は、あの5人と一緒にいることがとても幸せだった。

だが、その裏側で、月夜と月夜の実家の間で溝が出来た。

夜な夜な繁華街に出掛け始めたのも、実家と溝ができたその頃。

次第に、月夜は自分の父親を嫌い始めた。

実家に帰ることが少なくなり、暫く経つと、全く帰らなくなった。

それから三年間。
今まで一度たりとも帰ってないんだ」






三年間、一度たりとも………?

つっくんの実家も、組だって言ってた。



前、相談した時、うちも同じだからわかる、って言ってたけど…。


つっくんは、僕の抱えてる闇より、もっと大きな闇を抱えてる、ってこと……??



三年間、一度たりとも帰らなくなるほど、大きな何かがあった。




つっくんの身に、何があったの?


知りたい。







「実家で、何があったの?」


「……それは言えない。
月夜本人の問題だから、俺が言うことじゃない。
月夜にとっての理人たちは、唯一完璧に心を許してる奴らだ。

でも、月夜は今、青龍にも心を許しかけてる。
理人たち以上になることはないだろうが、いずれ、青龍にも心を許す時が来ると思う。

その時は、月夜を頼む」


「…っ、当たり前じゃん!
つっくんは、僕たちの仲間なんだからっ!」


「そうだっ!
月夜の心を支えるような仲間になりてぇ!」


「そうだね。
ちゃんと面倒みないといけないね」








いずれは、つっくんの口から教えてくれる時が来るのかな?


僕は待ってるから。



つっくんが僕たちに心を許す、その時まで。





‐咲希斗side*終‐