「うん。
今日は転校生に挨拶しようかなって思って」
「つっくんのこと?」
「さすが咲希斗。
もう仲良くなったのか?」
「当たり前!
…あ、つっくん、もう帰っちゃったんだけど」
そんな会話が後ろから聞こえる。
見つかる前に帰らないと………っ!
「転校生、って、アイツか?」
「あっ、そうそう!
つっくーーんっ!!
戻ってきて!!」
………見つかってしまった。
向こうまで戻るの面倒くさい。
早く帰りたい。
青龍と関わる気ない。
……結論。
無視に限る。
聞こえないふり、聞こえないふり。
早足で、近くにあった階段を駆け下りた。