「あのさ。
アンタ、咲希斗の…………、いや若頭の側近?」
「そうっすよ!
よくわかりましたね?」
「俺も。
俺も…、組の若頭だから、そういうことはなんとなく分かるんだ……」
無理に、笑った。
でないと、堪えられそうになかったから。
羨ましくて羨ましくて仕方がない。
私も、こんな所で育ちたかった。
「…そうだったんですか。
それはそうと、俺は慧兎といいます!
ケイとでも呼んでくださいね!」
「ケイ、か?
あぁ、よろしくな」
慧兎‐ケイト‐
……うん、なんか名前と顔がミスマッチのような気もするけど…、ま、いっか。
「奥に行こう。
みんな待ってるよ!」
「あ、あぁ」

