「はぁ。
店の上の奴を呼べ」
「は、はいぃぃ……っ」
逃げるようにして、店の奥に入っていった弱男。
弱男に見せたあのカード。
実は、麗桜組次期組長の証であるカード。
麗桜組は、ある一部のコンビニに裏から手を回し、麗桜組の証であるこのカードを見せれば未成年でも酒が買えるようにしてあるんだ。
幸い、このコンビニがその系列だったんだ。
暫くして、奥から店長らしき人が出てきた。
「すす、すみません。
ウチのバイトの者が………。
すぐに会計しますんで」
「急いでるから、早くしてくれ」
慌ててる様子の店長をみながら、思った。
麗桜組ってだけで、これだけの影響力がある。
こういうときには、便利なのかもしれない。
ここで麗桜組次期組長という肩書きを使うとは思わなかったな……。
出来れば。
使うことなどしたくはなかった。

