聞こうにも、聞けなかった。



人には、触れられたくないところはたくさんある。





今の柊の様子から、父親との関係があまり良くないんだろう。






それから、あっという間に帰ってしまった。


柊までもが。









嵐が去った後かのように静まり返る室内。








「……航太。
柊のこと調べろ、徹底的にな。
あと……、理人たちも」



「…わかったよ。
それにしても、月夜くんは謎だよね。

ほんと…、謎の塊みたい……」










航太の一言に、頷く。



謎だらけの柊。






前に軽く調べたけど、何もわからなかった。




何一つ、……出て来なかった。



普通の高校生じゃねぇことは確かだ。







絶対に、柊の正体を暴いてやる………。










‐紅蓮side・END‐