黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ











和志は、周りには冷たいくせに、
私だけには甘い。







「……って、まさか、和志が担任…?」



「そーだよっ!
よろしくね、月乃!」



「…あんだけバカだったのに教師になれるなんて、信じられないんだけど」









和志が学生時代、
テストでは必ず、最下位あたりをフラフラしていて、成績も最悪だったとか。



そんな和志が、教師?








「本当は教師なんかやるつもりなかったのに、観月がなるっつーから俺もなったんだ!

あれから、ガチで勉強したんだぜ?」







褒めて褒めて、と言わんばかりのカオ。


呆れながらも、頑張ったね、と伝えると、ニパァと嬉しそうに笑った。




ほんっと、前と変わらない。








「じゃあ、そろそろ行こうか。…月夜」



「あ、うん。
じゃ、観月また来るね」







観月に別れを告げ、
私たちは教室へと向かった。