「あの……、柊さん?
戻らないんですか?」







なかなか戻らない私を不思議に思ったのか、

近くにいた人が話しかけてきた。








「あぁ、まだ戻らねえ。
君、名前は?」



「慶っす!
高1です!」



「じゃあ、同い年か。
よろしく、慶。

あと、慶だけじゃなくてみんなに言っとく。

俺のこと、名字じゃなくて名前で呼んでくんない?

名字だと、よそよそしいし」









……そう、それを言いたかった。


どうも、名字で呼ばれるのは慣れない。



それに、仲良くなりたかったしね。







「い、いえ、そんな…っ!」



「遠慮すんな。
俺はただ、みんなと仲良くなりたいだけなんだけど…」



「仲良く?」



「だって、仲間だろ?
仲良くするのは当たり前だ。

みんなも、名前教えてよ。

お話しよーぜ!」








私がニコッと笑うと、


みんなは嬉しそうな顔をして俺をあっという間に囲んだ。