あたしは、重い沈黙を破り

「話してくれて…ありがとう」

と、罫瑚の手を握りしめた。


重い雰囲気を変えようとしてくれたのだろう。
罫瑚は知り合いの店に飲みに行こうと言って車を南に走らせた。


あたしは罫瑚と一緒にいれることがただただ嬉しかった。

ほろ酔い気分で店を出たあたしに罫瑚が少し遠慮がちに

「今日はずっと一緒にいたい」

と言って、あたしをまっすぐに見た。

あたしは少し迷って小さく頷いた。

罫瑚はあたしのために南のサウスタワーホテルを予約してくれた。