2007年12月…

今年も寒い冬がやってきた…

なんでもないこの日にあたしは記憶の扉をそっとあけそうになる…


罫瑚と出会ったあの日の自分に…

会いたい…


この星の下…

この広い空の下で…
数え切れない出会いの中で…………

誰もがきっと大切にしたいあの頃の思いがある…

あの頃の自分に帰りたくなる…。




…あたしは桃花

今では可愛い男の子一人がいるママになった。

旦那は一代で悠生グループをここまでに築き上げた業界で一目置かれる不動産の新生帝王、悠生宰。
あたしは今とても幸せだ。

だからかな…あの燃えるような熱い自分に帰りたくなる…



「ママ~!ただいま~」わたしのかけがえのない一人息子が抱きついてくる。

本当に幸せな瞬間だ。

後ろで宰が
「桃花~ただいま!」
と優しく微笑んでくれる…


私は記憶の引き出しをしめた…




思い出してはいけない…



大切な記憶の扉…


〈1〉