【完】トリプルスレット

「宮瀬、お前試合に出たのか?」


「はい・・・2ピリオドだけでしたけど」


「へえ、何得点?」


「12得点です」


「まだまだだな」


内野コーチはフッとイジワルな笑みを浮かべる。

内野コーチのイジワルな言葉に、私は眉間にシワを寄せた。



だけど・・・・・・



「でも、初めての試合にしては上出来だよ。よくやった」


そんな言葉と、私の頭を優しく撫でる手。

たったそれだけで、有頂天になるほど喜びは最高潮になる。


「やっめて、くださいよっ」


私は照れ隠しをするように、頭に乗せられた内野コーチの手を払った。

内野コーチは照れる私の顔を見て優しく微笑むと、今日の試合の様子をジッと見始めた。