【完】トリプルスレット

「そんな心空こそ。なに、その格好。目立つバッシュなんかはいちゃってさ。もしかしてバスケ部に入ったの?」


「昨日入部したんですけど、今辞めたとこです」


「出た。心空の気まぐれ。どうせ上手く行かないことでもあって、辞めるとか言ってるんじゃないの?」


「え!?」


綾先輩の台詞にドキリとする。


「その顔は図星でしょ?」


綾先輩の得意げな顔に、私は頬を膨らませた。


「また私が止める役やらなきゃいけないのかな?」


綾先輩がそらせた私の顔をニコニコしながら覗き込む。

私はプイと顔を背けた。