「ハア…ハア……」
8番がシュートフォーム状態の時にファウルしたため、8番には二つのフリースローが与えられた。
一本でも決められたら、逆転を許してしまう。
「心空」
ノノが私の元へ来た。
その周りに瑞穂、リッキー、マイマイも集まる。
「リバウンドは、私とリッキーとマイマイで絶対にとる。だから心空はリバウンドを捕った瞬間、ゴールに向かって走って」
ノノが手の汗をユニフォームで必死にふきながら、私に告げた。
「ここ、踏ん張りどころです。心空さん決めましょう」
瑞穂はそう言って、私の手を握った。
瑞穂の手は震えていた。
「情けないですよね…すっごく緊張してます。でも、この緊張なんて、人生の中でたった一瞬なんですよね」
「たった…一瞬……」

