【完】トリプルスレット


「リターン!つっこみます!」



ノノは瑞穂にパスを返した。

残り43秒。


47対47同点。私は走った。



「瑞穂!」



右手を挙げて瑞穂からのパスを呼ぶ。


前にディフェンスはいない。


速攻、決めれらる!



「ハア、ハア……!」



「心空さん!」



瑞穂からのロングパスが私の右手目がけて飛んでくる。


足が重い…ボールが私を超えていく。



ピーッ!



「白ボール!」



瑞穂からのパスがラインを割った。



「せっかくのチャンスが……」



ボールに…追いつけなかった……!!


私は膝に手をついて、床にポタポタ落ちる汗を見つめながら、悔しさで震えていた。



パンッ…パンッ!!



「動け…動け!私の足っ……!!」



私は自分の足をたたいて、ディフェンスへと向かった。