「でも……」
私が戸惑っていると、友梨が私を叱った。
「でもじゃない!これは、私だけの試合じゃない!だから…だから、行って!最後のクオーター残ってるんだよ!?」
友梨にこんなに叱られたことは初めてだった。
「心空、行くよ」
リッキーが私の腕を掴み、黒さんのところへと引っ張った。
そして、小さな声でこう言った。
「一番ケガをして、苦しいのは友梨。だから、友梨の言葉の通りにしてあげることが、今の友梨にとっては、一番嬉しいことなんだよ」
「……リッキー」
「勝って、また友梨をコートの上に呼ぼうよ」
「……うん……!」
そうだ、私が友梨にしてあげられることは、傍にいることじゃない。
チームの一員の私が…怪我をしないで、コートに立っているプレーヤーの私がしてあげられることは、この試合に勝つことだ……!

