【完】トリプルスレット


「でも……」



私が戸惑っていると、友梨が私を叱った。



「でもじゃない!これは、私だけの試合じゃない!だから…だから、行って!最後のクオーター残ってるんだよ!?」



友梨にこんなに叱られたことは初めてだった。



「心空、行くよ」



リッキーが私の腕を掴み、黒さんのところへと引っ張った。

そして、小さな声でこう言った。



「一番ケガをして、苦しいのは友梨。だから、友梨の言葉の通りにしてあげることが、今の友梨にとっては、一番嬉しいことなんだよ」



「……リッキー」



「勝って、また友梨をコートの上に呼ぼうよ」



「……うん……!」



そうだ、私が友梨にしてあげられることは、傍にいることじゃない。


チームの一員の私が…怪我をしないで、コートに立っているプレーヤーの私がしてあげられることは、この試合に勝つことだ……!