「ココちゃん・・・・・・」


愛都が心配そうに私の側に寄ってきた。


「心空・・・・・・」


友梨が私をギュウっと抱きしめてくれた。


「小塚先生。内野コーチは・・・もう来ないんですか?」


愛都がすがりつくような目で黒さんを見つめて言った。


「いや、最後の挨拶くらいはくるだろう。その時、納得出来るように心の整理、つけておくんだぞ」


「っく・・・っく・・・・・・」


私は嗚咽が漏れないようにこぼれ落ちる涙を、友梨の胸の中で必死で堪えた。


頭の中にはバレンタインデーに内野コーチに、チョコと一緒にあげた手紙の文面が浮かんでいた。