【完】トリプルスレット

雪が降り積もった内野コーチの車からはなにも見えなくて、本当に二人きりのような状態で。


愛都の邪魔も入らなくて・・・唇はフニっと柔らかくて。

なんだか不思議な感覚だ。


「なんかしたくなった。嫌じゃなかった」


内野コーチはそっと唇を離して、私の頭を撫でた。


「嫌だったら、たぶん・・・グーで殴ってると思います」


「うわっ。こえー」


内野コーチはクククっと笑っていた。


「友梨が言うんです。私はきっと内野コーチのことが好きなんだって。そうなんでしょうか?」


「いや、俺に聞かれても・・・お前の問題だろ?」


「そうなんですけど・・・じゃあ逆に聞きますけど内野コーチは私のことが好きですか?」