「させねえ!」


奏大さんが内野コーチの前に回り込みジャンプしてシュートチェックをする。


内野コーチは奏大さんがシュートチェックするのを冷静に見送り、奏大さんが地面に足を着いたところでゆっくりとシュートを決めた。


「心空!お前良すぎ!ナイス判断!」


内野コーチは私の元へ駆け寄ってきてクシャクシャっと私の頭を撫でた。


内野コーチ・・・笑ってる。


「ハハッ・・・アハハ!!やった!」


私も内野コーチと一緒になって笑った。


内野コーチはそんな私を見て、無邪気な笑いを止めて、今度は優しく微笑んだ。

そしてこう言ったんだ。






「心空。バスケ、楽しいか?」