【完】トリプルスレット

「それにしても土根の体育館久々だなあ。大学2年の時、光明と来た以来だから2年ぶりかあ」


「奏大さんは、ここの高校の出身なんですか?」


「え?うん。そうだよ」


私の質問に奏大さんはニッコリと笑って優しく答えた。


「光明とは同級生なんだ」


「え?バスケ部だったんですか?」


「うん」


「じゃあ、全国で優勝した時のメンバーだったんですね。すごい!」


「光明とはライバルだったんだ。ポジションも同じ所だったし。今日は絶対勝つからな」


「負けねえし。なっ!」


内野コーチは力強い瞳で私に同意を求めた。


「は、はいっ!」


私はその気迫に、返事を返すのがやっとだった。