【完】トリプルスレット

「じゃあ2対2やろうぜ」


「え?2対2?私と内野コーチしかいないじゃないですか」


「大丈夫、呼んでおいたから。ほら、ストレッチ手伝ってやるから、荷物置いて早く来いよ」


「は、はい」


呼んでおいた?

・・・・・・って誰を?





しばらく内野コーチと練習をしていると、体育館の裏口が開いて、冷たい風がピュウっと入り込んだ。


「お、きたきた」


内野コーチは嬉しそうにパッと笑顔になると裏口の方へ走っていった。


私もその後を追って走った。


「おっす、奏大(そうた)久しぶり!」


「おお、光明!なんだ、髪なんか染めちゃって・・・似合んねーぞ」


奏大と呼ばれた内野コーチの友達らしき男性。


内野コーチよりも背は小さいけれど、それでも大きくて。

内野コーチと二人並ぶと迫力だ。