【完】トリプルスレット

「もう、だめ。明日試合中にわざと倒れちゃおっかなあ」


ノノが宿泊先の旅館の部屋に入るなり、ゴロンと寝転がり弱音を吐いた。


「聞こえてるぞ、望花」


内野コーチが、縁にぶつからないように頭をかがめながら部屋に入ってきた。


「うわっ!なんで入ってくるんですか!?ここ女子部屋ですよ」


「旅館ついたらミーティングするって言ってただろ?」


「うわあ・・・疲れて耳遠くなっちゃったんじゃない、私」


ノノが耳の穴をグリグリしながら、寝転がせていた体を起こした。


内野コーチがドッカリと畳の上に座った。


私たちは内野コーチを基準に小さな円を作って座った。