隣のコートでミドルシュートの練習をしながら、私は二人が気になってしかたなかった。
「そんなに気になるなら、しっかり見ればいいのに」
内野コーチと愛都の一対一を見ていた友梨が、チョイチョイと私に手招きをした。
「うー・・・ん」
「何を悩んでるのよ?」
「別にっ」
私は、友梨の隣に並んで、二人を見た。
私が見たとき、内野コーチはディフェンス、愛都はオフェンスをしていた。
愛都が内野コーチにボールをパスする。
内野コーチはそのボールを大きな手でしっかりと受け取り、バウンズパスで愛都に返す。
愛都は上に大きく飛び跳ね、右、左とリズミカルに床に足をつき、トリプルスレットをする。
と、同時に愛都の左足は大きく斜め前に飛び出し内野コーチの真横にあっという間に到達する。
バンッ!!
内野コーチはそれを読んでいたのか、愛都のコースに塞ぐように、右足を斜め後ろに下げた。
愛都の背中と内野コーチの体が接触する。
「あっ!!」

