【完】トリプルスレット

「うん。入るよ」


「え!?じゃあ、これからずっと一緒に帰れるの!?」


「そうなるね」


「わあい!」


愛都は私の腕に自分の両手を絡ませ、ピョンピョンと跳ねた。


可愛いな。

もう汗なんて関係ないやっ。

なでなでしたい!

そう思って、愛都の頭に手と乗せようとした、その時だ。


パッチーン!!


「いたーいっ!」


愛都が両手で頭を抑えながらしゃがみこんだ。

誰かが私の可愛い愛都の頭を力強く叩いたのだ。


「いくら休憩中だからって、今は練習中だぞ。彼女といちゃつくんなら、練習終わってからにしろ」


その人は、愛都を冷たい目で見下ろした。