【完】トリプルスレット

「そんな睨むなって。別にお前の彼女とったりしねえから」


「私と愛都は、そんなんじゃありません!!」


私はとっさに内野コーチの言葉を否定していた。



なんで?

なんでこんなに必死になっているんだろう?



他のみんなには、どう思われようと別にいいやって思ってたのに・・・・・・。


「まあ、愛都。今日は諦めて私と帰るよ」


見かねた友梨が、愛都の肩からかけていたスポーツバックをグイグイと引っ張った。


「じゃ、お先に!内野コーチ、心空のことよろしくお願いします」


「え、ちょっと!!ココちゃあん!」


友梨はヒラヒラと手を振りながら、嫌がる愛都を力強く引っ張って、体育館を出て行った。