【完】トリプルスレット

「ココちゃん、電車の時間もうすぐだよ?準備しなきゃ。一緒に帰ろお?」


愛都だった。


「あ、そっか」


わたしは体育館の時計を見上げ、チラリと確認した。

20時の電車を逃すと、次の電車は21時半。


確かにそれじゃあ遅すぎるか・・・・・・。


「それだったら心配ないぞ。俺が送っていく」


悩んでいた私を救ってくれたのは、内野コーチの言葉だった。


「え?いいんですか?」


「別に俺は構わないよ。昨日も送ったから家の場所は分かるし」


「ココちゃん!?どういうこと!?」


愛都が目を見開いて私を見た。


内野コーチが愛都をチラリと見た。

内野コーチに見下げられた愛都は眉間にしわを寄せ睨みつけた。