【完】トリプルスレット

「瑞穂は愛都が大好きだからね」


練習後友梨に聞いてみると、予想通りの答えが返ってきた。


「そうなんだ・・・へぇ」


私はニンマリと笑みを浮かべながら頷いた。


「何?何の話?」


私と友梨の間に内野コーチが割って入った。


「乙女の話に首突っ込まないで下さいよ」


友梨が内野コーチに突っ込む。


「別にそんなつもりはないっつうの。そんなことより心空。一対一で勝負しないか?」


内野コーチが人差し指の上でクルクルとボールを回しながら、ニンマリと意地悪く笑う。


「やります!」


私は迷うことなく答えた。


「ダメだよっ!」


その時後ろから、私と内野コーチの勝負を止める声が聞こえた。