【完】トリプルスレット

ビーッ


タイマーが時間の終わりを告げる。

私はフゥと息を吐き、ステージの上で汗を拭きながら、男子の練習試合の様子を眺めた。


「ちょっと・・・心空さん」


瑞穂が私に、こっそりと近づいた。


「いくらコーチだからって・・・あれはどうかと思いますよ」


「え?何が?」


私は瑞穂の言っている意味がよく分からなかった。


「何って、ほら。心空さんには愛都がいるじゃないですかっ!なのに内野コーチとあんなことしたら、愛都が可哀想です!」


瑞穂が私の目を見つめながら、真剣な眼差しを送った。


「愛都がいる?ん?何のこと?」


「心空さん、愛都と付き合ってるんですよね?」


「ははっ。仲はいいけど、付き合ってないよ」


「え?そうなんですか!?」


瑞穂は頭のちょんまげをピョコリと弾ませながら、私に笑顔を向けた。





これってひょっとして・・・・・・