次の日の昼休み。

私は黒さんに呼ばれて体育教官室に来ていた。


コンコン・・・


体育教官室のドアをノックすると、ドアの向こうから「はい」と、黒さんの落ち着いた深い声が聞こえた。



ガチャ



「失礼します」


「呼び出してすまなかったな。昼飯は食べたか?」


「はい。いつもパンなので、食べるのは早いんです」


「パンか。パンは腹が減るだろ?部活までもたんぞ。これ食え」


黒さんはそう言って、コンビニの袋に入っていた、たらこおにぎりを、ポンと放って投げた。


「あ、ありがとうございます!」


「いいんだ。せっかくの大事な練習時間潰してしまったからな」


「え?」


黒さんの言葉に驚く。